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2017
明治43年創業の神楽坂の名店、大阪寿司で有名な「大〆」が今年7月に閉店した跡地に、親戚筋のかつおぶし問屋が直営する日本蕎麦店「手打ちそば処 かね田 宝庵」が11月25日オープンしました。壁には「大〆」のメモリアルプレートも飾られています。
お店の場所は異国情緒あふれる「ボルゴ大〆」の一階右奥。「ジェラテリア テオブロマ」の向かいというと分かりやすいかもしれません。店内は「大〆」と比べてこぢんまりとしていますが、蕎麦打ちのスペースも用意されています。今はまだプレオープン中だそうで、蒸し寿司の持ち帰りや蕎麦打ちレッスンは本オープン後に開始されるとのことでした。
「大〆」の親戚がやっておられる店だけに、鳥獣戯画のイラストが描かれた素敵なメニューには蕎麦だけでなく大阪寿司も並んでいます。「せいろ」「かけ」は800円、「天せいろ」「天ぷらそば」は1,900円、「鴨せいろ」「鴨南版」は1,700円で、追加そばは650円です。大阪寿司の方は「蒸し寿司」が1,900円、少なめの「蒸し寿司 桜」が1,200円、「茶巾寿司」が1,700円となっており、小鉢や甘味、飲み物がセットになった御膳もいくつか用意されていました。
先付の煮豆はとっても大きくて、上品な甘みで正月気分になります。続いて運ばれてきたお蕎麦は、かつおぶし問屋こだわりの「至高の蕎麦つゆ」が絶品。江戸蕎麦の定番、完全手打ちの二・八蕎麦もよくつゆに絡み、喉ごしのよい食感も素晴らしかったです。
「蒸し寿司」をご存知ない方に説明すると、鯛の焼き身と椎茸煮を混ぜた酢飯に、ふんわり錦糸玉子を乗せ蒸し上げたもの。関西地方の寿司店では冬限定で出される料理で、箱ずしと並び大阪寿司のひとつとされています。あたたかい寿司というと驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、少し太めの錦糸玉子と鯛の焼き身がふんだんに混ぜ込まれている酢飯のハーモニーは他にはない美味しさでした。
鯛の焼き身と椎茸煮を混ぜた酢飯をふんわり玉子で包み、椎茸・蓮・海老を乗せた「茶巾寿司」も外せない逸品。黄色い玉子で包まれた見た目がかわいいだけでなく、味の方も素晴らしいもので、食事に誘った同僚も喜んでくれて嬉しかったです。ガリの入った美しい器など、「大〆」時代からいろんなものを受け継がれているこちらで、今日は楽しいひとときを過ごすことができました。
店名:手打ちそば処 かね田 宝庵
ジャンル:蕎麦、大阪寿司
TEL:03-6457-5215
住所:東京都新宿区神楽坂6-8 ボルゴ大〆
営業時間:11:30~15:00(L.O.14:30)
休日:水曜日
オープン日:2017年11月25日
文・写真:渡邉達朗
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